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2大巨匠の謎を解く1/2 ~「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋 のまなざし」展~

先日まで東京都写真美術館で開催されていた「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし」展の感想を書く。
実は閲覧直後に書いたのだがノリにノッて4千字を超えたので「短く書き直さねば」と考えている内に時間が過ぎてしまった(ブログの長文なんてよっぽど優れてないと誰も読まない)。
ちなみに、両者はストリートスナップにおける東西の神様みたいな存在で、じっくり二人のプリントを観るのはこれが初めて。





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会場は、前半が木村、後半がブレッソンに分かれていた。
まず木村のストリートスナップ群が現れる。
「下手。おれにも撮れそう」
というのが正直な感想。
ところが、彼のポートレートのコーナーに入ると評価が一転。
「いい!」
モデルの個性を捉え、写真家のアイディアがそれを引き立てている。

次に、ブレッソンのストリートスナップ。
「いい!」
構図がハイレベル。
水平を出すべき構図でも水平が出ていなかったり、雑然として余計なものが写りこんでいる木村のスナップとはレベルがちがう。
次いでポートレートのコーナー。
「ええっ!?」
あれだけストリートスナップが良かったのに、こちらは凡庸なのだ。
モデルをどう捉えればいいか写真家が困惑している感じ。

次は、両者のコンタクトプリントのコーナー。
写真家の田中希美男氏がツイッターで「天眼鏡(古いっ)を持っていけばよかった」とぼやいていたが、そのとうり。小さくてよく見えない。
かといって、スルーしてしまうにはコンタクトプリントは重要すぎる。
コンタクトプリントとは大きさを含めフィルムで撮ったそのままをプリントしたもので、ブレッソン自身人から写真のアドバイスを求められたさい「コンタクトプリントを作品と一緒に見せてください。コンタクトプリントの内容は人には絶対に話さないから」と言ったほど写真家の撮影意図や撮影法が分かるものだ。手品師が種を見られるようなものか。
とはいえ、両者とも撮影の秘密が分かるほどひつこく撮ってる様子はなかった。
同じシーン(スナップ)を、木村は2枚、ブレッソンは4枚程度で終えていた。無駄なショットはほとんどなく、ピンボケ、露出不良などイージーミスも皆無に近かった。

最後はカラー写真のコーナー(これまで全てモノクロ)。
木村のパリを撮ったカラー写真の美しさには驚いた。
色がいい!
通りに一人佇むパリジェンヌの写真には強く魅せられた。
転じてブレッソンのカラーは印象が薄い。
二人のカラーの出版物も展示されていたが、ブレッソンのものは木村より格段と質が悪い。
「ブレッソンは『カラーでは色が出ない』とカラーに消極的だった」との解説も納得がいく。さすがにこのプリントや印刷のレベルではやる気も出ないだろう。

これで全て観終えた。
正直、両者ともインパクトはなかった。
土門拳、サルガドに続き、またしても巨匠に感じなかったわけだ。
サルガド展の後「おれは写真不感症か」と不安になったが、熱中した「音楽」のことを思い出し納得した。
「どんなレジェンドでも興味のないミュージシャンはずっと興味がなかった。それが写真の世界でも起きているだけ」

会場の入り口まで戻って再び見直す。これは私にとって珍しいことではない。
2度目を見終えても、新たな発見はなかった。
しかし、さすがに東西ストリートスナップ二大巨匠の写真展に「興味なし」という感想ではストリートスナップがウリのフォトロガーとして芸がない。
入り口に戻り、3度目。
今度は探偵になった気分で、ある呪文を唱えながら。
「木村はスナップが下手でポートレートが上手い。ブレッソンはその逆・・・・」
そこに二人の謎を読み解くヒントがあると考えたのだ。
そして・・・・



「表情だ!!」



ヒントどころか、答えがそこにあった。





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次回、木村、ブレッソンの謎を解く!









前回アンケート

01 人物入りの雪景色 4件
02 雪の積もった木 6件
どちらもいい 1件
どちらもよくない 4件


01は報道的、02は写真家的。
どちらに票が集まるか興味があったが、分かれた。
しかし、今回の場合注目すべきは「どちらもよくない」。
私のブログで行うアンケートなのでどうしても好意的な意見が多くなる中、この4件は大きい。
ぶっちゃけ言うと、近所を1時間うろついただけではいい雪景色は撮れないという当たり前のこと。

「どちらもよくない」 : 私にも写せます!(アマチュアにはとうてい撮れないもの期待します) (男性/60代/東京)


ブログのコメント欄には絶対に書かれることのない正直な感想。ありがたい。精進します。

「どちらもいい」 : どっちも好き。 (北海道)

ありがとうございます。

「02 雪の積もった木」 : 雪のしんしん(表現が間違ってるかかも。。)とした雰囲気を感じたから

「しんしん」は「降る」にかかる言葉かも。
どう感じたか、は参考になります。

「01 人物入りの雪景色」 : マスクをした女性を見て、「ああ、ここは日本だ!」と思う所がいいなあ。 (女性/40代/【海外】)

「海外ブロガー」を念頭においた記事をよく書きます。今回はまぐれですがw

「01 人物入りの雪景色」 : 関西は比較的暖かい日が続いております。カメラがぬれないかちと心配。 (男性/40代/兵庫)

D300はいちおう軽い防水です。そうでないカメラもニコンは雨や埃に強いですね。
「ニコンは壊れない」とは現場のニコンカメラマンから何度も聞かされた言葉。

「02 雪の積もった木」 : どちらも (女性/50代/北海道)

より02てことですね。ありがとうございます。




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by Photobra7 | 2010-02-19 11:55 | 写真展 | Comments(6)
Commented by bernardbuffet at 2010-02-19 23:31
面白い!
次が早く読みたい。
photobraさんは写真よりも文章の方が上手いかも(失礼、どちらも上手いと訂正しましょう)。
感じたことを短いセンテンスでテンポ良く展開するのでとても読みやすい。ただ、一点「ひつこい」は「しつこい」の方が普通かも。関西ではサ行がハ行になり、関東ではハ行がサ行に転化するので、まあ、どちらも良いのでしょうが・・・。これ以上コメントすると「ひつこく」なるのでやめます。次回、楽しみにしています。
あ、それと、写真、いいですね。水平が出ている(ブレッソン)、表情がいい(木村)。エッ、表情が写っていない? いえ、背中に表情を感じます。それにモノクロなのがいい。photobraさんの言葉はわかります。「カラーでは色が出ない」
Commented by tes_music_system at 2010-02-20 08:21
巨匠の前でも、良いと言わない根性に乾杯?!(笑い)
私も見ましたが、ブレッソンと並べるほど伊兵衛が良いのって感じました・・・
ブレッソンをもっと見たいと感じました・・・?!(笑い)
Commented at 2010-02-21 10:49
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Photobra7 at 2010-02-22 19:03
>bernardbuffetさん
>面白い!

ありがとうございます。

>写真よりも文章の方が上手いかも

イエローカードですw
前ブログの時代から耳にする言葉です。
そのため、このブログではあまり文章を書かないようにしています。
傷つくのですw

>ひつこい

気付いてましたが、今回かなりオーソドックスな文章なので、ここくらい関西人のアイデンティティが出てもいいと思ったのです。
でも、検索かけると思ったより小数派・・・

>あ、それと、写真、いいですね。

文章のついでに褒めて頂いてありがとうございます(まだ根に持ってるw)。

>「カラーでは色が出ない」

確かに。
いい色だせない・・・
Commented by Photobra7 at 2010-02-22 19:03
>親分

>巨匠の前でも、良いと言わない根性に乾杯?!(笑い)

そこがネットのいいとこですね♪

>私も見ましたが、ブレッソンと並べるほど伊兵衛が良いのって感じました・・・

なら、次回必見!
Commented by Photobra7 at 2010-02-22 19:04
>鍵2010-02-21 10:49 さん

あ、そうか。
オリジナルプリントでない可能性も考えるべきでしたね。
以前他の写真展で「オリジナルプリントかどうか」と受付で聞いたら軽く「知りません」とあしらわれたので、そんな質問自体諦めていました。
しかし、もし最近の技術でカラープリントしたのなら、どこかに注釈入れて欲しかったですね。

ブログ拝見しました。
丁寧に撮られていますね。
そして、心象を写真に託そうとしているかのように感じました。
これからもお付き合いの程、よろしくお願いします。
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